太田内科クリニック

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診療体勢 「太田内科クリニック」 所在地 〒468-0012 愛知県名古屋市天白区向が丘2-1407 電話  052-801-3955 駐車場 10台有り 診療科目 : 内科・循環器科 診療時間 月曜 火曜 水曜 木曜 金曜 土曜 日曜 祝日 備考   午前9:00〜12:00   ○  ○  ○  ○  ○  ○  /  / 受付は11:45まで  午後4:00〜7:00   ○  ○  ○  /  ○  /  /  / 受付は18:45まで 定休は日曜・祝日および、木曜・土曜の午後となっております。 総合内科専門医として内科全般のみならず、対象患者さんを限定しない家庭医を目指しています。 各種健康診断、各事業所向け定期健康診断を行っています。 各種予防接種を行っています。 心臓病を中心とした「心臓ドック」を行っています。 糖尿病、脂質異常症、高血圧など生活習慣病に対して適切な投薬、生活習慣のアドバイスを行っています。 定休日以外の休み 診療理念 患者さん一人ひとりに最適の治療・生活のアドバイスを 太田内科クリニックでは、患者さん一人ひとりの疾患に対し、それぞれに適したコンサルティングを行い、患者さんの状態に応じたライフスタイルのアドバイスに努めています。 当院は総合内科専門医、循環器専門医による外来で内科領域のさまざまな疾患に対応します。 生活習慣病の治療に力を入れ、充実した施設・スタッフを備え、適切な投薬、生活習慣のアドバイスを行っています。 随時発表される知見を取り入れつつ、微調整を加えながら必要最少限の投薬を心掛けております。 そのため、総合内科専門医、コ・メディカルらが協力して、患者さん中心のチーム医療を実践しています。 院内処方 当院では、院内処方を採用しており、患者さんにとっては、 診療後に薬をすぐに受け取ることが出来ます。 雨の日など、薬局にわざわざ行くのは大変です。 意外と知られていませんが、院外処方の医療機関と比べて自己負担が安くなります。 3割負担の場合で、1回あたり400円〜800円の違いとなります。 もちろん、ご希望がありましたら院外処方も行っています。 ジェネリック医薬品 院内の薬は、患者さんの負担のことを考え、ジェネリック医薬品も採用しています。 採用の際には、添付文書やインタビューフォームを用いて薬物動態など、先発品と効果の違いが見られないことを確認しています。ジェネリック医薬品は、品質にばらつきもあり、採用に当たっては十分注意しなければなりません。  治療疾患について 高血圧症、高脂血症、糖尿病、喘息など内科疾患全般を診療しています。 検査機械は、胸部レントゲン、腹部、心、頸動脈エコー、心電図、尿一般検査等の自院検査のほか、血液検査は検査会社に外注しており、遅くとも翌日までには検査結果がわかります。 緊急に対応が必要だと考えられた場合は、当院から電話連絡いたします。 病診連携 診療後、さらに詳しい検査や入院が必要と判断された場合には、病院をご紹介しています。 名古屋記念病院、第二日赤病院、など各医療機関と連携しています。大きな病院にかかっているが病状が落ち着いている方、待合い時間が長いのに診療時間が短いとご不満な方、当院を受診ください。何かありましたら、逆紹介(診療所より再度病院へ紹介すること)も行いますので、安心です。 診療設備・機器 X線レントゲン 超音波診断装置 心臓、腹部、頸動脈など内科領域全般の画像診断に対応します。正確な検査に基づき、適切な治療を行います。 心電計・ホルター心電計 狭心症、不整脈、その他の心臓疾患の診断、治療効果の判定に有用です。 電子カルテ 電子カルテを導入し、画像データや採血データなどの管理を図り、過去データとの迅速な比較診断、治療効果判定が可能です。また専門病院へ紹介する際にも詳細な紹介状の作成が可能となりました。 医療は医療従事者と患者さんとのパートナーシップを築く事が最も大切と考えます。そのためには少なくとも診療情報を共有する事が必要かと存じます。当院では電子カルテによる診療を行い、医師が何を考え、その根拠はどこにあるのかを患者さんに明確にお示ししております。いささかでも疑問があればその場で解決してゆきます。 ワクチン・予防接種について 国が接種を推奨する予防接種で、名古屋市在住の方は公費負担(無料)で接種が受けられます。 予約制です。電話でお問い合わせ下さい。 ワクチンの種類 料金 インフルエンザ 一般¥3000−、13歳未満¥2500− 肺炎球菌 一般¥8000− 麻疹風疹(MR) 一般¥9000− おたふく 一般¥6000− 日本脳炎 一般¥5500− 水痘 一般¥7500− 二種(ジフテリア、破傷風) 一般¥3700− 三種(ジフテリア、破傷風、百日咳) 一般¥5650− A型肝炎 一般¥5000− B型肝炎 一般¥3500− 狂犬病 一般¥10000− 破傷風 一般¥3000− インフルエンザの問題点  インフルエンザはA型またはB型インフルエンザウイルスが呼吸器に感染することによって起こる病気です。イインフルエンザは伝染力が強く、毎冬のように短期間に集中して百万人単位で大勢の人が罹患するために、健康被害のみならず社会活動にも大きな影響を与えます。 一般にインフルエンザは、感染後1〜2日の潜伏期の後に38度以上の発熱をもって突然発症し、初期には頭痛、全身倦怠感、関節痛、筋肉痛などの強い全身症状を示すことが特徴です。その後せき、痰などの呼吸器症状が現れて、数日の間寝込まざるを得ない状態が続きますが、通常は1週間以内に回復します。 しかし、インフルエンザは他のかぜ(普通感冒)にくらべて極めて危険な病気なのです。特に、65歳以上の高齢者、乳幼児、妊婦、さらに年齢を問わず呼吸器系や循環器系に慢性疾患を持つ患者、糖尿病などの慢性代謝性疾患、慢性腎不全など腎機能異常の患者、免疫低下状態の患者などでは、インフルエンザに罹患すると、入院を必要とする肺炎・気管支炎などの重篤な合併症がもたらされ、更には死亡する危険性が数倍から数百倍にも増加します。 これらの人々はインフルエンザにおけるハイリスク(高危険)群とよばれます。現在国民の6人に一人は高齢者であり、今後社会の高齢化が進むにつれて、このようなハイリスク群における健康被害の増加がインフルエンザにおける大きな問題となってきます。今後のインフルエンザ対策の重点は、高齢者を中心としたハイリスク群の健康被害をいかに減らすかという点にあります。 インフルエンザの予防  このようなインフルエンザによる健康被害を防ぐにはどうすればよいでしょうか。ウイルス感染そのものを完全に防ぐことが出来ればいいのですが、現在のところ残念ながらそのような方法は存在しません。 人ごみを避けたり、患者との接触を絶って感染の機会を減らすとか、寒気をさけて十分な栄養と休息をとって体力を保つとか、うがいや手洗いを励行するなどの一般的な予防方法は、消極的ですが効果はあり、是非とも心掛けるべきことです。 A型イインフルエンザウイルスの増殖をおさえるアマンタジンという医薬品が1998年末から認可になりました。しかし、これはB型インフルエンザウイルスには無効であり、A型に対してもその効果は症状を軽減して回復を1〜2日早める程度ですし、さらに様々な副作用の報告もあるために、一般的には多くの期待をかけるわけにはいきません。 インフルエンザ予防対策の中心は予防接種であるということが世界的に広く受け入れられています。しかし、わが国ではインフルエンザワクチンに対する疑問や不信感をもっている人が多いのではないでしょうか。そこで、インフルエンザワクチンに対する理解を深めるために、インフルエンザワクチンについて説明したいと思います。 インフルエンザワクチンとは何か  現在のインフルエンザワクチンは、ワクチン製造用のインフルエンザウイルスを発育鶏卵に接種して増殖させ、漿尿液から精製・濃縮したウイルスをエーテルで部分分解し、更にホルマリンで不活化したものです。ウイルス粒子そのものを不活化した全粒子ワクチンと区別するために、HAワクチンと呼ばれています。日本でインフルエンザワクチンが本格的に導入されたのは1957年のアジアカゼ大流行の時ですが、当時は全粒子ワクチンでした。 ワクチン接種後に長期間にわたって強い感染防御免疫が誘導されるポリオワクチンや麻疹ワクチンとは異なり、インフルエンザワクチンは、ウイルスの感染やインフルエンザの発症を完全には防ぐことは出来ません。ここに現在のインフルエンザワクチンの限界があります。 しかし、後で述べるように、インフルエンザワクチンには、ハイリスク群がインフルエンザに罹患した場合に、肺炎等の重篤な合併症の出現や、入院、死亡などの危険性を軽減する効果が世界的にも広く認められています。世界保健機構(WHO)をはじめ世界各国がハイリスク群に対してワクチン接種を積極的に薦めている理由もここにあります。 日本におけるワクチン集団接種方式の導入  インフルエンザは高齢者などのハイリスク群にとって大きな脅威ですが、誰がインフルエンザウイルスの感染を受けやすいかというと別の問題となります。感染経験の少ない学童生徒が最もインフルエンザに罹りやすく、彼らが集団生活をする学校がウイルスの主な増幅場所であり、従ってインフルエンザは学童生徒によって学校から社会へと広がっていくという考えがあります。 この考えに基づいて、1962年にわが国では、社会全体のインフルエンザを制圧する目的で、全ての学童生徒を対象としたワクチンの集団接種が開始されました。 その後、ワクチン製造に用いる発育鶏卵の品質管理や精製技術の改良が行われ、1972年にエーテル処理によるウイルス脂質成分の除去法が導入されて現行のHAワクチンが実用化されました。これによって、局所反応や発熱、ショック、神経系の後遺症等の重篤な副反応・副作用の出現は減少し、現行ワクチンは世界的に見ても安全性の面ではほぼ満足のいくものと評価されています。 インフルエンザワクチン集団接種方式に対する見直しの経緯  一方、我が国における学童生徒の集団接種方式を巡って、科学的ないし社会的な面から様々な議論がありました。社会全体のインフルエンザ流行を防ぐために学童生徒全員にワクチン接種を強制するのは人権問題であるとの批判、また学童生徒全員にワクチン接種しても社会におけるインフルエンザの流行は制圧されていないとの批判など、ワクチンの接種目的、接種対象、接種方式に対する様々な批判が起こってきました。また必ずしも科学的評価に耐えられない多くの野外試験の成績と誤った解釈によるワクチン無効論が唱えられ、まれに起こる重篤な副作用に対する行政対応が必ずしも適切ではなかったことが強調され、更にそれらに基づく様々な誤解から生じたインフルエンザワクチン全体に対する不信感がマスメディア等によって増幅されました。その結果、1980年代後半からワクチン摂取率が急激に低下していきました。 これらの批判とは別に、80年代後半には、インフルエンザなどの感染症は本人の責任で防止に努めるべきであるという個人防衛の考え方が起こってきました。1994年の予防接種法の改正に際しては基本的にこの考え方が導入され、インフルエンザワクチンは法律に基づく臨時の定期接種からはずされて任意接種になりました。この結論に至った経緯や議論に関する説明が報道等で十分なされなかったためハイリスク群に対するワクチン接種の意義などの情報も少なく、「国がインフルエンザワクチンは無効であることを認めたので、従来の強制集団接種方式を廃止した」との誤解が生じました。そのためワクチン接種を受ける人は極端に減ってきています。これは、WHOをはじめ世界各国のワクチン政策とは完全に逆行するものであり、近く出現が予想される新型インフルエンザ大流行への対策を検討する上でも大きな問題となっています。 インフルエンザワクチンの効果  現行のインフルエンザワクチンは、ウイルスに対する感染防御や発症阻止の効果は完全ではありません。従ってワクチンを接種してもインフルエンザに罹患する場合があります。 ここで注意すべきことは、一般にはインフルエンザと「かぜ」が区別されずに混同されていることです。インフルエンザワクチンはインフルエンザウイルスにしか効果を示しませんが、「かぜ」の原因となるウイルスは100種類以上もあります。ほとんどの人は冬季には「かぜ」に罹患しますので、これらのインフルエンザウイルス以外の「かぜ」ウイルスの感染をうけて「かぜ」をひいた場合でも、「ワクチンを接種したのにかぜをひいてしまったので、ワクチンは効かない」との誤解が生じることとなります。 インフルエンザワクチンの効果に関しては、ワクチン接種をしなかった場合におこる危険性をワクチン接種によってどのくらい減らすことが出来るかという相対危険で表わすことが合理的であるとされています。しばしば「有効率75%」などの言葉が使われていますが、これは、「ワクチン接種者100人のうち75人が発症しない」ということではなく、「ワクチン接種を受けずに発症した人の75%は、接種を受けていれば発症を免れた」ということを意味しています。このことが理解されていないことも、インフルエンザワクチンの効果に対する不信感を助長してきた一因であると考えられます。 また、インフルエンザワクチンの有効性を評価する際には、どのような環境で生活するどのような人を対象として、何をもって効果判定の指標とするかを明確にしておくことが大切です。これがあいまいですと、ワクチン効果についての討論も噛み合わなくなってしまいます。 これまでわが国では、ハイリスク群に対するインフルエンザワクチン接種を積極的には行ってこなかったので、ハイリスク群におけるワクチンの効果についての詳しい研究成績はほとんどありません。一方、米国では毎年のようにワクチンの効果を調べて公表しています。これによりますと、ワクチン接種によって、65歳未満の健常者についてはインフルエンザの発症を70〜90%減らすことができます。また、65歳以上の一般高齢者では肺炎やインフルエンザによる入院を30〜70%減らすことが出来るとされています。老人施設の入居者については、インフルエンザの発症を30〜40%、肺炎やインフルエンザによる入院を50〜60%、死亡する危険を80%、それぞれ減少させることが出来るとされています。 このように、インフルエンザ]ワクチンの効果は100%ではありませんが、高齢者を中心としたハイリスク群において、肺炎などの合併症の発生や入院、死亡といった重篤な健康被害を明らかに減少させる効果が示されています。これはWHOをはじめ世界各国でも広く認められており、この事実に基づいてハイリスク群を主な対象としたワクチン接種が勧告され、その実施が積極的に進められています。 従って、わが国でも、ハイリスク群の健康被害を防ぐことを第1の目標として、インフルエンザワクチン接種を積極的に奨める必要があるものと考えられます。 インフルエンザワクチンの問題点  現行のインフルエンザワクチンの効果は100%ではなく、決して満足できるものではありませんが、その問題点としていくつかの要因が議論されています。これらのインフルエンザワクチンの問題点について以下にまとめてみます。 (1)A型インフルエンザはヒト以外にトリ、ブタ、ウマなどを自然宿主とする人獣共通感染症ですので、天然痘やポリオなどのようにヒトにワクチン接種をすることによってインフルエンザウイルスを根絶することは不可能です。 (2)現行ワクチンの感染防御効果や発症阻止効果は完全ではありませんので、ワクチン接種を受けてもインフルエンザに罹患する場合があり、この場合には患者はウイルスを外部に排泄し、感染源となります。従って、集団接種を行っても社会全体のインフルエンザ流行を完全に阻止することは難しいと考えられます。 (3)インフルエンザウイルスの表面にある赤血球凝集素(HA)という糖蛋白が感染防御免疫に関る主要なウイルス抗原であり、HA蛋白に対する免疫が感染防御に中心的な役割を果たしています。しかし、HA蛋白をコードするHA遺伝子には頻繁に突然変異が起こるために、HA蛋白の抗原構造が次々と変化します。その結果、これまでに感染やワクチン接種をうけて獲得された免疫では十分に対応できないような抗原変異ウイルスが生じます。このような以前の免疫から逃れた変異ウイルスが次々に出現して新たに流行を起こすことになります。従って、インフルエンザでは1回のワクチン接種で終生免疫を付与することは出来ません。  また、ワクチンによる感染防御免疫は抗原性が大きく異なるウイルスには働きません。従って、流行ウイルスとは大きく抗原性がずれたウイルスから作られたワクチンを接種しても、流行ウイルスに対するワクチンの効果は期待できないことになります。実際には赤血球凝集抑制試験という方法で測定した抗原性に8〜16倍以上のずれがあると、ワクチンの効果はあまり期待できないとされています。 従って、インフルエンザワクチンにおいては、常に次のシーズンの流行ウイルスの抗原性を的確に予想し、この流行予測に基づいて適切な抗原性を持つウイルスをワクチン株として選択していかねばなりません。最近では、WHOを中心とした地球レベルでのウイルス監視活動に基づいて、南半球と北半球それぞれに予想される流行株に対応したワクチン株の選定が各シーズン毎に検討されています。そのために、「抗原性が不一致であるのでワクチンが効かなかった」という事態はほとんど起こっていません。 (4)一般に不活化ワクチンによって賦与される免疫は時間とともに低下していきます。インフルエンザワクチンによる有効な防御免疫の持続期間は3カ月程度と短いので、毎年シーズン前に接種を繰り返す必要があります。わが国ではインフルエンザシーズンの1カ月前くらいである11月頃を中心に接種することが薦められています。 (5)現行のHAワクチンは、精製したウイルス粒子をエーテルによって部分分解し、副反応の原因と考えられる脂質成分の大部分を除去したワクチンです。最近は欧米でも、安全性の面からエーテルや界面活性剤処理による部分分解ワクチンが広く使用されるようになってきました。これらは全粒子ワクチンに比べると免疫原性は若干低いと評価されていますが、欧米における成績を見ると実際上はワクチン効果に大きく影響するものではありません。従って、「わが国のインフルエンザHAワクチンは欧米のワクチンに比べて力価が低いので、ワクチンの効果に関する欧米の成績はわが国のワクチンには適用できない」との批判は現在では根拠が無くなっています。 (6)現行のインフルエンザワクチンは皮下接種されています。しかし、不活化ワクチンの皮下接種では、インフルエンザウイルスの感染防御に中心的役割を果たすと考えられる気道の粘膜免疫や、回復過程に重要であると考えられる細胞性免疫がほとんど誘導されません。これは、インフルエンザウイルスの感染そのものを防御すると言う面では大きな短所であると考えられています。  しかし、この様な欠点を持ちながらも、先に述べたように、ハイリスク群に対する現行インフルエンザワクチンの効果は明らかに認められています。また、ワクチンの皮下接種でも血中の抗体産生は十分に刺激できるので、インフルエンザに続発する肺炎などの合併症や最近問題となっているインフルエンザ脳炎・脳症の発生を抑えることには期待出来ると考えられています。 (7)遺伝子の突然変異によって頻繁に抗原変異を起こすインフルエンザウイルスでは、感染をうけたウイルス株や接種されたワクチン株に対してよりも、以前に感染またはワクチン接種を受けた昔のウイルスに対する抗体産生をより強く刺激するという抗原原罪現象が認められます。従って流行が予想されるウイルス株をワクチンとして接種しても、このウイルスに対する免疫刺激が減弱されてしまい、これを繰り返していくと目的とするウイルスに対する免疫が十分に誘導されなくなってしまう(ホスキンス効果)との報告があります。  確かにこのような抗原原罪現象が起こらなければ、ワクチンの効果はもっと高くなるのかもしれません。しかし、このような現象が起こるにもかかわらず、ワクチン接種によって目的とするウイルスに対する血中抗体は十分に上昇しますし、先に述べたようにワクチンの有効性は明らかに認められています。 (8)現行のイインフルエンザワクチンの副作用に関しては、発育鶏卵の品質管理、精製技術の改良やエーテル処理による発熱物質の除去などの技術的な進歩によって、1971年以前の全粒子ワクチン時代に問題となった発熱や神経系の副作用は大幅に減少しています。  しかし、約100万人に一人の割合で重篤な神経系の健康障害が生じ、後遺症を残す例も報告されています。ワクチンは健康被害を防ぐ目的で接種されるのであり、これによって健康障害が生じることは大変残念なことです。これらの原因については良く解っていませんが、被害者の救済・補償が十分に行われる体制を整備するようにしていく必要があります。  一方、まれに起こる健康障害が強調され過ぎて、ワクチンの有用性に対する一般の理解が後退し、ワクチンの恩恵を受けられなくなることも逆に残念なことです。ワクチン接種の際には、問診表に体調などを正しく記入し、発熱など体調が悪い時にはワクチン接種を避けるなど、医師と十分に相談して接種することが必要です。  また、インフルエンザワクチンには微量ながら卵由来の成分が残存していますので、これらによって発赤やじん麻疹などの局所反応やアナフィラキシー・ショックが出現する可能性があります。卵アレルギーの人はワクチン接種を避けるか、注意して接種する必要がありますので、これも医師と相談してください。 肺炎球菌が引き起こす病気を予防 肺炎球菌ワクチンとは、肺炎球菌によって引き起こされるいろいろな病気(感染症)を予防するためのワクチンです。 従って、肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌以外の原因による病気(感染症)に対しては残念ながら予防効果はありません。肺炎を例にとると、肺炎の原因となる微生物には各種細菌やウイルスなど、たくさんの種類があります。 しかし、肺炎球菌は、その中で最も重要な位置を占めている細菌です。 インフルエンザウイルスに多くの種類があるように、肺炎球菌にも多くの種類があります。このワクチンは、1回の接種でいろいろな型に効くようにつくられています。 23種類の肺炎球菌に免疫をつけます 肺炎球菌には80種類以上の型があって、それぞれの型に対して免疫をつける必要がありますが、肺炎球菌ワクチンを接種しておけば、そのうちで感染する機会の多い23種類の型に対して免疫をつけることができます。これらの23種類の型で、すべての肺炎球菌による感染症の8割ぐらいを占めています。 1回の接種で23の型ほとんどに対し、有効レベル以上の免疫ができます。この免疫はよく持続して5年以上続きます。 麻しん(はしか)に関するQ&A(厚生労働省のホームページより) I 麻しんに関する基礎知識 I−1 麻しんとはどんな病気ですか? 麻しんは麻しんウイルスによって引き起こされる一般に小児期に多い急性の感染症として知られていますが、本年には、10代、20代の若年者間での感染が多く見られ、社会的にも関心を集めています。 麻しんウイルスの感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染で、その感染力は非常に強いと言われています。免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症し、一度感染して発症すると一生免疫が持続すると言われています。また、麻しんウイルスは、ヒトからヒトへ感染すると言われています。 感染してから約10日後に発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れます。2〜3日熱が続いた後、39℃以上の高熱と発疹が出現します。肺炎、中耳炎を合併しやすく、患者1000人に1人の割合で脳炎が発症すると言われています。 かつては小児のうちに麻しんに感染し、自然に免疫を獲得するのが通常でした。近年、大きな流行が少ないことから成人になるまでに麻しんに罹ったことがない場合や小児の時に予防接種をしたという場合でも、大人になって感染する例が目立ってきました。 I−2 麻しんはどうやって予防するのですか? 麻しんワクチンの予防接種が有効です。また、麻しんの患者さんに接触した場合、72時間以内に麻しんワクチンの予防接種をすることも効果的であると考えられています。 接触後5、6日以内であればγ−グロブリンの注射で発症を抑えることができる可能性がありますが、安易にとれる方法ではありません。詳しくは、医師とご相談ください。 I−3  近年の麻しんの流行はどのような状況ですか。今年の流行も含めて教えてください。 麻しんは毎年春から初夏にかけて流行が見られます。過去10年の推移を見ると、2001年に大きな流行がみられ、その後は徐々に患者数は減少していました。 本年は、小児(15歳未満)の患者数は例年に比べ、それほど増加しておらず、2007年5月現在2001年の約10分の1の程度です。しかし、成人(15歳以上)の患者数は2001年時と同じ程度に上っています。 また、今年はこれまで主に東京都と埼玉県など首都圏で流行がみられていますが、徐々に全国に拡がりつつります。 麻しんの流行状況に関する情報は、国立感染症研究所感染症情報センターのホームページで確認することができます。 I−4 なぜ今年、10代から20代の人を中心に流行したのですか? かつては小児のうちに麻しんに感染し、自然に免疫を獲得するのが通常でした。しかし、麻しんワクチンの接種率の上昇で自然に感染する人は少なくなってきています。 10代から20代の人たちの中には、今まで一度も麻しんの予防接種を受けていない人がいます。そのうえ、そもそも予防接種は、一度で十分な免疫が獲得できるとは限らず、麻しんワクチンを一回接種しても、数%程度の人には十分な免疫がつかないことが知られています。今回は、そのような人達の間で麻しんの流行が起きたものと考えられています。 さらに、麻しんワクチンの接種率の上昇に伴って、麻しんの患者数が減り、麻しんウイルスにさらされる機会が減少しました。そのため、幼少時にワクチンを接種した現在の10代から20代の人は免疫が強化されず、時間の経過とともに免疫が徐々に弱まって来ている人がいることも原因の一つと考えられています。 I−5 妊娠しているのですが麻しんの流行が心配です。どうしたらよいでしょうか? 妊娠中に麻しんに罹ると流産や早産を起こす可能性があります。 妊娠前であれば未接種・未罹患の場合、ワクチン接種を受けることを検討すべきですが、既に妊娠しているのであればワクチン接種を受けることが出来ませんので、流行した場合は外出を避け感染者に近づかないようにするなどの注意が必要です。 II 予防接種について II―1 予防接種はどれくらいの効果があるのですか。副反応はあるのですか? 麻しん患者の1000人に1人の割合で脳炎が発症すると言われている 麻しんに対し、そのワクチンを接種することによって、95%以上の人が麻しんウイルスに対する免疫を獲得することができると言われています。 ワクチン接種後の反応として最も多くみられるのは発熱で、接種した人の約13%が接種して2週間以内に発熱を来します。その他には、じんま疹が約3%に、発熱に伴うけいれんが約0.3%にみられます。稀な副反応として、脳炎・脳症が100万〜150万人に1人以下、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)が100万〜200万人に1人みられます。 なお、麻しんワクチンは、ニワトリの胚細胞を用いて製造されており、卵そのものを使っていないため卵アレルギーによるアレルギー反応の心配はほとんどないとされています。しかし、重度のアレルギー(アナフィラキシー反応既往)のある方は、その他の成分によるアレルギー反応が生ずる可能性もあるので、接種時にかかりつけ医に相談してください。 II−2  過去に麻しんに罹ったことがあるのですが予防接種を受けるべきでしょうか? 今まで麻しんに罹ったことのある人は免疫を持っていることから、予防接種を受ける必要はありません。 II−3 10代、20代で麻しんが流行しているようですが、ワクチン接種を優先的に受けた方が良いのはどのような人ですか? 「麻しんにかかったこともなく、ワクチンを1回も受けたことのない人」は重症になり易いので、流行地域においては、ワクチンの接種は定期予防接種の対象者に加え、未接種・未罹患の方が優先されます。また、麻しんが流行し、ワクチンの需要が増大している時期においては、定期の予防接種対象者のうち、特に1期の生後12月から24月までの方が優先されます。 II−4 麻しんの予防接種を受けるのに、単独の麻しんワクチンの替わりに、MRワクチン(麻しん風しん混合ワクチン)を接種しても健康への影響に問題ありませんか? 麻しん感染防止対策としては、MRワクチンは単独ワクチンと同様の効果が期待されます。 また、麻しんワクチンの替わりにMRワクチンを接種することにより健康への影響が大きくなることは通常ありません。ただし、MRワクチンは、風しんのワクチンも含まれていることから、妊娠している方は接種を避けることはもちろんのこと、妊娠されていない方は、接種後2ヶ月程度の避妊が必要です。おなかの赤ちゃんへの影響を出来るだけ避けるためです。 また、麻しんの単独ワクチンの接種に当たっても、妊娠している方は接種を避けるなど同様の注意が必要です。 痘(水疱瘡)はウイルスはvaricella-zoster virus(水痘-帯状疱疹ウイルス)による感染症です。それも初感染によると言われています。 帯状疱疹は一旦水疱瘡が治ってもウイルスが体内に潜伏して、成人になってからウイルスが再活性化し帯状疱疹を発症するものです。 水痘の潜伏期は14-16日程度で感染後14日前後くらいに発疹が出ます。 発疹出現の1-2日前から水泡が『痂皮化』するまでの7-10日程度は家族内感染の可能性があります。 発疹発現から72時間以内にウイルスワクチンを打つことが家族性二次感染の予防に有効だと言われていますので、発症したご家族の発疹出現から3日以内だったら内科小児科に相談して、今まで水痘の既往のない、あるいは、水痘(水疱瘡)のワクチンを打ってないご家族がウイルスワクチンを接種するべきかどうかも相談してください。 水痘ワクチンで帯状疱疹の予防 加齢と共に加速度的に発症頻度が高くなる帯状疱疹ですが、水痘ワクチンの接種が帯状疱疹の発症および急性期の疼痛、帯状疱疹後神経痛を予防するとのことです。 当クリニックの患者さんの中にも、帯状疱疹にかかることを予防する目的で予防接種を希望される方がいらっしゃっております。 特定健康診査のご案内 特定健診とは?   特定健診 (特定健康診査)とは、平成20年4月から医療保険者に実施が義務付けられた 内臓脂肪型肥満(メタボリックシンドローム)に着目した健診です。 内臓脂肪型肥満(メタボリックシンドローム)の要因となっている生活習慣病を改善するための保健指導を行い、糖尿病、脂質代謝異常症、高血圧などの有病者・予備軍を減少させることを目的としています。 生活習慣病は自覚症状がないまま進行するため、健診により自分の生活習慣を振り返り、保健指導によって無理なく健康づくりの支援を行います。AGA(男性型脱毛症)について AGAって何? AGAとは「男性型脱毛症」のこと。AGAは進行性なので、早めのケアが大切です。 他の脱毛症と異なり、思春期以降に額の生え際や頭頂部の髪が、どちらか一方、または双方からうすくなり、進行していくのが特徴です。細くて短い髪の毛が多くなり、全体としてうす毛が目立つようになります。一般的にDHTや遺伝が関係するといわれています。(DHTとは、ジヒドロテストステロンの略で、AGAの原因物質です。) またAGAは進行性で、なにもしないでいると徐々に進んでいきます。進行を抑えるためには早めのケアが大切です。AGAについては医療機関で相談できる時代です。うす毛・抜け毛が気になっているなら、あきらめる前に医師に相談してみませんか? あなたの5年後、大丈夫? AGAの5年間の毛髪数の変化<参考:海外データ>アンチエイジングについて プラセンタって何? プラセンタ注射薬は本来、医療用医薬品として肝炎や肝硬変、慢性肝疾患、胃潰瘍、更年期障害、乳汁分泌不全、アレルギー性疾患、十二指腸潰瘍などの治療にも用いられています。 健康な方への投与で、シミしわの解消、美白効果、疲労回復、冷え性の解消、肩こり・腰痛の解消など、多岐に渡る効果が期待できます。 プラセンタで、しわの解消 プラセンタは、真皮にある線維芽細胞を増やすFGFという成分が含まれているため、肌のはりや弾力を保つコラーゲンやエラスチンが増えるためしわが解消されると考えられています。 プラセンタではシミを解消 黒いメラニンを作る酵素がプラセンタで抑えられて、肌の新陳代謝も盛んになることからシミが薄らいできます。 プラセンタの持続力 一度解消しても紫外線や加齢の影響で新しいシミやしわが現れてきます。美肌を長く維持するためには週1回のペースでプラセンタを注射していくのが理想的です。 プラセンタの主な効用(個人差があります) しみ・くすみ 1回の注射で、肌のくすみが解消する場合が多い。 週2回の注射を約1〜3ヶ月続けるとシミが軽減。 実際にシミが薄くなるだけでなく、肌の色ムラが解消して美白の効果もあります。 しわ・たるみ 1回の注射で、肌の状態がふっくらと柔らかくなる。 週2回の注射を3ヶ月続けると、シミと同様にしわも軽減します。 肌にはりも戻り、肌の乾燥が解消され滑らかな肌になっていきます。 白髪・養毛 半年から数年、週1回の注射を続けると白髪が減り、黒い髪が生えてきた例が多くあります。 同様に個人差が大きいが髪が生えてくる例もあります。 肩こり・疲れ 1度の注射で改善します。 睡眠不足や筋肉疲労にも効果が高く、眼精疲労も軽減し、目がすっきりとします。 疲労回復 にんにく注射って何? にんにく注射とは、いわゆるビタミン剤各種が配合されている注射のことで、にんにくが入っているわけではありません。 にんにく注射には、筋肉に溜まる疲労物質(乳酸)を除去する効果があり、元気を出したり疲れをとることができます。疲れてこの1週間何とかのりきりたい方や、疲労・病後などで体力を消耗しているときには速効性があります。